smallhappiness_9388’s diary

介護福祉士・調理師が綴る、乳がん手術からの再建と愛犬との日常。実体験に基づいた「生きるヒント」を発信中。

乳がん体験談【第15話】運命の分岐点。愛犬が命をかけて遺した「覚悟」と、独り向き合う手術前夜

久しぶりに訪れた大学病院。白く無機質な廊下を歩く足取りは、いつになく重いものでした。
今日はいよいよ、来週に迫った乳がん手術に向けた入院案内と説明の日。

 

※本記事はプロモーションを含みます。

 

手渡された何枚もの書類、入院生活のルール、手術の同意書……。内容を確認していくにつれ、それまでどこか他人事のように感じようとしていた「ガン患者である自分」という現実が、容赦なく胸に迫ってきました。

1. 大型犬だからこそ通じ合えた、特別な絆

この頃の私は、自身の病状以上に、愛犬ゴルのことで心が沈みきっていました。これまでもペットを見送ってきましたが、ゴールデンレトリバーという大型犬であるゴルちゃんに対しては、不思議とこれまでにないほど強い、魂の結びつきのようなものを感じていたのです。


あの子はまだ、月齢も若く、未来が無限に広がっているはずでした。それなのに突きつけられた「末期ガン・余命僅か」という残酷な宣告。

もっと一緒にいたかった。

あふれるほどの笑顔を見たかった。

日ごとに活力を失っていくゴルちゃんの姿が痛々しく、私の視界は常に涙で歪んでいました。

 

2. 乳腺外科での長い午後。現実は止まってくれない

乳腺外科の待合室で名前を呼ばれたのは、14時を過ぎた頃でした。

週明けの月曜日ということもあり、ロビーは溢れんばかりの人。誰もがそれぞれの不安を抱え、静かに順番を待っています。
幸いなことに、数ヶ月待ち続けてようやく受けた手術前検査では、他に異常は見られませんでした。これには心から感謝しました。けれど、診察室でもまた、山のような書類にサインを求められます。ペンを動かすたび、家を離れる日が近づいていることを突きつけられ、心はさらに重く沈んでいきました。


追い打ちをかけるように、ずっと丈夫だったはずの体が風邪に蝕まれ、薬を処方してもらう日々。精神的なストレスが限界に来ていたのかもしれません。


3. 予定通りの宿。自分に課した「未来への賭け」

入院の3日前から、私はある「予定」を立てていました。一人になって心を整える時間を作るため、自宅近くの宿を予約していたのです。もちろん、これはゴルちゃんが元気だった頃に決めていた、自分へのささやかなご褒美でした。


キャンセルすべきか、迷いました。ゴルと過ごせる時間はあと数日しかないかもしれない。今離れたら、手術後の入院期間を含め、1ヶ月近く会えなくなる。「一分一秒でもそばにいたい」という本能と、「予定を変えたら、日常が壊れて二度と戻れない気がする」という恐怖がぶつかり合いました。
結局、私は予定通り宿へ向かうことにしました。


それは、「退院して、また必ずゴルに会う」という自分自身への強い賭けでもありました。理不尽な運命に落ち込み、地面に吸い込まれそうなほど沈んだ気持ち。それでも、私はこの孤独な時間を使って、現実を受け止める覚悟を決めなければなりませんでした。


4. ゴルが遺してくれた、一本の道


宿へ向かった私を待っていたのは、想像よりもずっと早い別れでした。
私が病院へ向う為、家を空けたその夜。

ゴルちゃんは私の想像を超える速さで、虹の橋を渡ってしまいました。

あの子は、私が入院の手続きを終え、いよいよ逃げ場のない戦いへと踏み出したのを見届けるのを待っていたかのように、静かに息を引き取ったのです。


前日まで、あの子はボロボロの体で立ち上がり、私に命の尊さを教え、励ますかのように向き合っていました。ゴルの死は、これからの私にとって、単なる「悲しみ」以上の大きな意味を持つこととなりました。


それまで、手術への恐怖や愛犬への未練でバラバラに揺らいでいた私の感情が、あの子の死を境に、すっと一本の太い道に繋がったのです。

「ああ、私はこの子の分まで、逃げずに戦わなければならないんだ」と。


5. 悲しみに飲み込まれないために

今、大きな手術を目の前にして、私は必死に踏みとどまっています。もしゴルがいなかったら、私は深い悲しみと恐怖に飲み込まれ、今頃立ち上がることもできていなかったでしょう。

 

大好きで、世界で一番大切な愛犬。その温もりを胸に、これから私は弱音を吐きません。ゴルが最期まで見せてくれた「命を諦めない意志」と「病気との向き合い方」を、お守りのように心に置いておこうと思います。
私達の運命がこれからどうなろうと、どんな結果が出ようと、それを受け止めて生きていく。それが、あの子からバトンを受け取った、残された私に課せられた現実であり、使命なのだから。


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【この記事のまとめ】

入院手続きの重圧と、突然訪れたゴルとの別れ。
けれど、あの子の旅立ちが、私に逃げない強さをくれました。

 

次回、第16話。
「手術室の扉が開くとき」。
ゴルの魂と共に挑んだ、乳がん手術当日の全記録を綴ります。

次回の記事へ >

第16話】15時間の死闘。ICUで感じた愛犬の気配と、涙の理由

 

※本記事は個人の体験談です。サービスのご利用については、ご自身の体調や状況に合わせてご検討ください。